CML for Personal はデフォルトだと Cisco SD-WAN 関連のコンポーネントは同梱されていません。 ですが、正規に Cisco SD-WAN 関連のコンポーネントを入手する手段さえあれば、GitHub の CML Community で公開されている情報を参考に、SD-WAN の検証環境を構築することが出来ます。 今回は CML 上でバージョン 20.1.1 系の SD-WAN 検証が出来るようにする手順をメモしておきます。
Step.1
予め、正規の方法で下記をダウンロードしておきます。 バージョンが異なっても以降の手順は同じで大丈夫なはずです。 コンソール接続出来るよう、CSR のイメージはファイル名に serial
を含むものを用意します。
- csr1000v-universalk9.17.02.01r-serial.qcow2
- viptela-edge-20.1.1-genericx86-64.qcow2
- viptela-smart-20.1.1-genericx86-64.qcow2
- viptela-vmanage-20.1.1-genericx86-64.qcow2
Step.2
CML へログインしたら Tools
→ Node and Image Definitions
をクリックして次へ進みます。
Step.3
画面を下側へスクロールしていきます。
Nodes
という項目にある Import existing Node Definition
という項目をクリックして次へ進みます。
Step.4
Import Definition
にある Browse
というボタンをクリックし、GitHub の Cisco SD-WAN Node Definitions にある機種毎の .yaml ファイルをインポートします。
これでノードの定義がインポートされました (Browse
でファイルを選択すると、すぐにノードの定義は追加されます)。
最終的には .yaml ファイルは以下の 5 つをインポートします。 このメモの作成時点で vManage のデータボリュームサイズは 512GB に定義されていますが、検証を行うだけであれば (Requirement を無視して) 30GB 程度で十分かと思います。 このようにパラメータを調整したい場合は .yaml ファイルをテキストエディタで開き、該当する部分を修正してからインポートします。
インポートが完了すると、Node and Image Definitions
で以下のようにアイコンが増えているはずです。
全てインポートが完了すると以下のように表示されているはずです。
Step.5
次に Node and Image Definitions
画面の最上部、Images
にある Manage Uploaded Images
をクリックして次へ進みます。
Step.6
Upload New Image File
→ Browse
をクリックし、.qcow2 形式のバイナリをアップロードしていきます。
予め用意しておいた下記のファイルをアップロードします。 vBond と vEdge は設定が異なるだけであり、バイナリは共通です。
- csr1000v-universalk9.17.02.01r-serial.qcow2
- viptela-edge-20.1.1-genericx86-64.qcow2
- viptela-smart-20.1.1-genericx86-64.qcow2
- viptela-vmanage-20.1.1-genericx86-64.qcow2
全ファイルのアップロードが完了すると以下のように表示されます。
Step.7
再度、トップ画面から Node and Image Definitions
をクリックして次へ進みます。
Step.8
Images
の Create New Image Definition
をクリックして次へ進みます。
Step.9
ここから各ノードごとにイメージの定義を行っていきます。 下記のスクリーンショットのように値を入力していくだけなので作業は簡単です。 但し一点だけ、「イメージの定義で参照されたバイナリはリストから表示されなくなる」 という注意点があります。 順を追って説明していきます。
vBond
vBond と vEdge のバイナリは共通なので、Disk Image
には vEdge 用のバイナリを選択します。
vSmart
特に注意点はありません。
vManage
同様に注意点はありません。
vEdge
vEdge の Disk Image
を選択しようとすると、vEdge 用バイナリが表示されないはずです。 これは先に vBond の定義で vEdge 用のバイナリを選択してしまっている為です (一度選択したイメージはリストに表示されなくなります)。 その為、もう一度 Node and Image Definitions
→ Manage Uploaded Images
から (先に登録したのと同じ) vEdge 用のバイナリファイルをアップロードし直します。 これで vEdge 用のイメージ定義時にリストから vEdge 用バイナリを選択出来るようになります。
XE-SDWAN (CSR1000v)
CML としては注意点はありません。 但し、IOS-XE の 17 系からは非 SD-WAN / SD-WAN のイメージが統合された為、SD-WAN の検証を行うには「コントローラモード」へ切り替える必要があります。 コントローラモードへの切り替え方法については Cisco CSR1000v 17.x 系 IOS-XE をコントローラモードに切り替える に手順をメモしてあります。
Step.10
これでラボを作成し、ノードを追加する際に SD-WAN 関連のノードを選択出来るようになりました。